可変インデックス動的平均(Variable Index Dynamic Average Technical Indicator、VIDYA)は、Tushar Chande によって開発されました。これは、動的に平均期間を変更して指数移動平均(Exponential Moving Average、EMA)を計算する、基本的な方法です。平均期間は相場のボラティリティに依存しています。ボラティリティを測るには Chande モメンタムオシレーター(Chande Momentum Oscillator、CMO)が使用されます。 このオシレーターは、特定の期間(CMO期間)における、正の増加の合計と負の増加の合計の比率を測ります。CMOの値は、スムージング要素であるEMAの比率として使用されます。そのため、VIDYAは CMO期間とEMA期間のパラメーターを設定する必要があります。
一般的に、取引システムにはVIDYA自体ではなくN%の幅をとるVIDYAの上下バンドが使用されます。この指標のシグナルとしての解釈は、ボリンジャーバンド ® と似ています。
一般的な指数移動平均は下記の公式で計算されます。
EMA(i) = 価格(i) * F + EMA(i-1)*(1-F)
ここで
F =2/(Period_EMA+1) — 平滑化係数
Period_EMA — EMA平均化期間
価格(i) — 現在の価格
EMA(i-1) — 1つ前のEMAの値 です。
可変インデックス動的平均の値は、似たように CMOを使用して計算されます。
VIDYA(i) = 価格(i) * F * ABS(CMO(i)) + VIDYA(i-1) * (1 - F* ABS(CMO(i)))
ここで
ABS(CMO(i)) — Chande モメンタムオシレーターの絶対値
VIDYA(i-1) — 1つ前のVIDYAの値 です。
CMOの値は、下記の公式で求められます。
CMO(i) = (UpSum(i) - DnSum(i))/(UpSum(i) + DnSum(i))
ここで
UpSum(i) = 現在の正の増加の合計
DnSum(i) = 現在の負の増加の合計 です。