オンバランス数量(On Balance Volume、OBV)は、数量と価格変化に関係した、運動量を測る指標です。Joseph Granvilleが考案したこの指標はとてもシンプルです。終値が1つ前の足の終値よりも高い場合、数量が1つ前の足のOBVに加算されます。終値が1つ前の足の終値よりも低い場合、数量が1つ前の足のOBVから減算されます。
オンバランス数量の分析での基本的な前提は、OBVの変化は価格の変化に先立つということです。OBVが上昇することによって、投資金が株価に流れるという考え方です。大多数がその後資金を投入すると、株価とオンバランス数量がどちらも上昇します。
株価の動きがOBVの動きに先だった場合「非確認」が起こります。非確認は、ブル市場の天井で(株価がOBVの上昇なしで上昇した時)起こります。また、ベア市場の底でも(株価がOBVの追随なしに下落した時)起こります。
新しい天井が次々と上昇し、新しい底が次々と上昇している時、OBVは上昇トレンドにあります。同じように、連続した天井が次々に下がり、連続した底が次々に下がっていく時、OBVは下降トレンドにあります。OBVが横這いし、相次ぐ新しい高値や安値が形成されない場合、トレンドはありません。
一度トレンドが形成されると、トレンドが消滅するまでその効力を維持します。OBVのトレンドが消失するケースは2つあります。1つ目のケースは、トレンドが上昇トレンドから下降トレンドに変わる時、もしくは、トレンドが下降トレンドから上昇トレンドに変わる時に起こります。
トレンドが消失する2つ目のケースは、そのトレンドがはっきりしないトレンドになった時、もしくは、3 日以上トレンドがはっきりしない時です。したがって、セキュリティが上昇トレンドからはっきりしないトレンドに変化し、上昇トレンドに戻る前に2日間だけはっきりしない場合、OBVは常に上昇トレンドにあると考えられます。 OBVが上昇/下降トレンドに変わるとき「ブレイクアウト」が発生したということです。
OBVのブレイクアウトは一般的に価格のブレイクアウトに先行するので、投資家はOBVが上にブレイクアウトした時には買い注文を出すべきです。同様に、OBVが下にブレイクアウトした時には売り注文を出すべきです。ポジションはトレンドが変化するまで保持されるべきです。
現在の終値が1つ前の終値よりも高い場合
OBV(i) = OBV(i -1) + VOLUME (i)
現在の終値が1つ前の終値よりも低い場合
OBV(i) = OBV(i -1) - VOLUME (i)
現在の終値が1つ前の終値と同じ場合
OBV(i) = OBV(i -1)
ここで
OBV(i) — OBVの値、
OBV(i -1) — 1つ前のOBVの値、
VOLUME (i) — 数量です。